ワイワイたすけ合い 「8.身上事情は道の花」その2
8.身上事情は道の花
病を活かせる人はかっこいい
人が年を取る意味、病気になる意味
人が年を取ったり、病気になる意味は、「弱い者が強くなり、強い者が弱くなる。役割が交代し、互いに理解し合った上で、協力し合うため」かもしれません。
また、「本当に大切なものを知るため」かもしれません。若い頃は、自己実現のためにいろいろのものを取り込みます。年を取ったり病気をして、それらを手放す作業を通して、自分にとって、本当に大切なものが確認できるのではないでしょうか。
また、「親神様のご守護を知るため」かもしれません。そして最後に肝心なのは、「病を契機により良く生きるため」でしょう。
病は一般的には、マイナスの価値です。「病さえなければ、自由に夢を追えたのに」ということがよくあります。しかし、「病は神の道おせ(道教え)手引き、ようぼくの手入れ」と言われるように、天理教では、病から何かを摑んで、立ち上がる、マイナスの価値をプラスの価値に転じて、有限の体が病んでも、無限の心が成人するのです。つくづく素晴らしい教えだと思います。
逆に絶好調の時は要注意かもしれません。人生を舐(な)めてしまったり、自分の力を過信してしまったり、人を見下してしまったりするかもしれません。ありがたさに気付けない。人生が薄っぺらくて退屈で、もっと強い刺激、満足を追いかけるようになるかもしれません。
成ってくるのが天の理
病の時は、自分に専用の砥石(といし)としての病を下さった親神様に感謝して、病を糧に自分を磨く。病知らずの時は、かしもの・かりものの体に感謝して、自分の代わりに病んでくれているのかもしれない人様を、親身になってたすけさせて頂く。「人をたすけてわが身たすかる」という言葉には、いろいろな深い意味があるのです。そのように考えれば、人生に悪いカードなしです。
年を取り、死ぬことは、人間皆平等です。どんなに悪く見える人生でも、死ぬのは一回、どんなに羨むような人生でも、不老不死の人はいません。
人生は、トランプゲームの「大富豪(大貧民)」のようなものかもしれません。元々手持ちのカード、日々送り込まれるカードは、自分がいつか蒔いた種どおりのはずです。人のカードを羨(うらや)むより、自分の人生、自分に来たカードを、最大限に善用して、楽しみながら生き抜きましょう。
只今訓練中
人生を生き抜いて最後に「どんな死に方がしたい?」と聞かれたら何と答えますか?
若い頃の私は、「やっぱり、家族や友人に囲まれた大往生で、最後に『ありがとう』と言って、親神様の元へ帰ると信じつつ亡くなる」のが理想かなと思っていました。
でも30歳代からは、「隠居の身になったら、この世でたいへんそうな所(カンボジアの地雷地域とか、チェルノブイリの影響を受けた風下のベラルーシとか、戦争や内戦中、圧政下の国とか)へおたすけに行こう、布教決死隊のように」と、自分の力では全く無理な〝夢〟を見ていました。
だから、すぐ音(ね)をあげないためには訓練が必要です。暑い目にあった時は、これはカンボジアに行く訓練、寒い目にあったならベラルーシ、熟睡時たたき起こされたら、夜間空爆のある国に行く訓練、理不尽な目にあったら、圧政に耐える訓練と思うようにします。そうすると「なんのこれしき、もっともっと、耐えられなくては使いものにならないぞ」と思えます。忙しいのは、重責課題(一度にやるべきことが同時に起こること)、トリアージ(多数の傷病者の重症度と緊急度を分別し治療の優先順位をつけること)の訓練、理解し難い価値観に出会った時は、異文化体験の訓練と。
でも実際、本当に弱い人間なので、死ぬ時が来てみたら、人様にただただご迷惑をおかけし、情けない死に方をするかもしれません。
傍楽(はたらき)名人の金メダリスト
もう少し私の突飛な話にお付き合い下さい。
大リーガーのイチロー選手は、脳のイメージ通りに実行できる、神経の行き届いた柔らかく強い筋肉を持つスポーツマンの体作りを、若い頃からずっとやってこられたそうです。農業でも漁業でも、その仕事一筋の人にはそれなりの筋肉の付き方があります。
私たちは、はたはたを楽させられる傍楽名人、お助け名人に適した体を手に入れたいと思いませんか?それは、腰が軽くて、いつも笑顔で、よく働き、たとえ深夜でもお助けのためなら起きられる体です。そして人助けに適した体に一番大事なのは、体を引っ張っていく心。前向きで陽気で、親を信じる素直な心、きょうだいを助けずにはおれない心。ひながたを通らして頂こうとする心。
私の周りには、結構「はたらき名人」がいます。特徴として、かさばらない、皆に好かれる、人なつこい、働くのが好きそう、いつも手を動かしている、合理的で気が利く、自然の摂理に沿って無理をしない、人・物・時間・情報・自分を大切にする、失敗から多くを学ぶ、などです。
チーム日本長寿金メダル
さて、私たちチーム日本女子は、長寿の金メダリストです。このチームは5000万人単位ですし、病死はもちろん、自殺や事故死が多くてもいけません。平和で社会も安定していなくてはいけません。一人一人が健康で陽気に生きるとともに、家族や仲間の健康に気をつけ、陽気ぐらしで助け合わなくては、全体の寿命は伸びません。その金メダルを何年も保持し、自己ベストを更新しているのは、教祖のおかげもあると思います。一人一人が素敵な女性になるとともに、チーム日本女子としても、素敵なチームでいましょう。きびしい世の中ですが、チームワーク良く男子チームの健康もサポートしつつ。
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